坂本龍馬記念館活動報告2015年

平成27年「坂本龍馬生誕180周年 龍馬祭」盛大に挙行!

 第12回目となる今年の龍馬祭は11月14日(土)と15日(日)の2日間、坂本龍馬生誕180周年記念行事として盛大に挙行されました。龍馬祭は龍馬の誕生日と命日、そして北海道坂本龍馬記念館開館と蝦夷地の坂本龍馬像建立記念日である11月15日に合わせ、近代日本の基礎を築き、蝦夷地開拓を目指した坂本龍馬の志と行動力を受け継ぐことを目的に毎年開催しています。
 今年は坂本龍馬生誕180周年記念特別プログラムとして、〇京都国立博物館学芸部列品管理室長・宮川禎一氏による記念講演「北海道に渡った坂本龍馬の日本刀」、〇龍馬の尊前において永遠の愛を誓う「HAKODATE幕末ウェディング」、〇100年後の日本人に向けた手紙を大募集する「現代の志士・手紙コンクール」などが加えられました。
 ここでは2日間に渡って盛大に挙行された龍馬祭のようすをご紹介します。


◆特別記念講演『北海道に渡った坂本龍馬の日本刀』 講師:宮川禎一氏
(11月14日 15:00〜16:30/於 五島軒本店・王朝の間)
 大正2年に北海道浦臼町で開催された坂本龍馬遺品展において、龍馬が所持していたとされる三振りの刀が展示されました。一振りは遭難時の佩刀として有名な「陸奥守吉行」。二振り目は吉行と共に昭和6年に京都国立博物館に寄贈された「埋忠明寿」。三振り目は、先般、86年ぶりに所在が明らかとなった「備前長船勝光・宗光」合作の脇差です(当館ではいずれも同銘の刀を展示しています)。この三振は、一度は龍馬の遺品として北海道に渡りながら、その後数奇な運命を辿り、今年再び脚光を集めることになりました。
 道外から駆け付けた熱心なファンの姿も目立つ中、記念講演では京都国立博物館の宮川禎一氏によるこの三振りの刀についての最新情報のほか、龍馬にゆかりのある刀剣の貴重な逸話なども紹介されました。ここのところ、新たな資料の発見やオンラインゲームを発信源とした日本刀ブームなどの影響もあり、この講演会は刀剣ファンの関心度も高く、今後の龍馬研究発展にも大きな影響を及ぼすものと思われます。
 龍馬生誕180周年の記念すべき機会に北海道までお越しくださった宮川先生の長年の尽力に敬意を表すると共に、大変貴重なお話をご紹介いただき、参加者からは「長年の疑問が解決した」、「最新の情報を聞けて良かった」といった喜びの声を聞くことができました。




◆懇親交流会(11月14日 17:00〜19:00/於 五島軒本店・王朝の間)

 記念講演に引き続いて開催された懇親交流会。創業135年の伝統を誇る老舗・五島軒のすばらしい料理を堪能しつつ、全国から参集した同志が熱く語り合い、親睦を深めました。今般、北海道産業貢献賞の栄誉に輝いた五島軒取締役社長・若山直氏による乾杯のご発声に続き、ご来賓、会員、そして全国の同志の方々よりゲスト・スピーチをいただき、懇親会はアットホームな雰囲気の中で進みました。
 後半は、当館正会員で水月流賢心朗吟会会長・宗家の湊賢心氏による龍馬作和歌の吟詠披露や、当館のイベントでお馴染みの函館学生連合・息吹の皆さんによるYOSAKOIソーランオリジナル演舞の披露でボルテージも最高潮! おいしいお料理とお酒、そしてすばらしいステージと歓談など、熱気溢れる楽しい交流の場となりました。




◆坂本龍馬蝦夷地上陸祈念祭(11月15日 10:00〜10:30/於 北海道坂本龍馬記念館)

 この式典は、龍馬の宿願であった蝦夷地上陸を祈念し、その高き志と功績を顕彰し、受け継ぐものです。かつて坂本龍馬の縁戚である澤辺琢磨が第八代宮司をつとめた山上大神宮現宮司・澤辺益美様による神事に続き、下記式次第にて厳粛に挙行されました。

《式次第》
一、開会の辞     司会 川越栄子
一、神事       山上大神宮宮司 澤辺益美様
一、祭文奉読     北海道坂本龍馬記念館館長 三輪貞治
一、来賓祝辞     衆議院議員 前田一男様
一、来賓祝辞     陸上自衛隊第28普通科連隊長兼函館駐屯地司令 緒方義大様
一、閉会の辞      司会 川越栄子



祭 文

 坂本龍馬先生のご生誕180周年及び命日、そして北海道坂本龍馬記念館及び蝦夷地の坂本龍馬像建立記念日に際し、坂本先生のご遺徳を偲び、謹んで申し上げます。
 幕末、坂本先生は、その高き志と行動力、そしてその人徳により、薩長同盟締結から大政奉還へと導き、長く続いた武家政治を終焉させ、近代日本の礎を築くという、世界でも類稀なる政治体制の変革を成し遂げられました。また、幕末動乱期にあって蝦夷地開拓と防衛の重要性にいち早く着眼し、その実現に向けて行動されました。 坂本先生の蝦夷地上陸への篤き想いは、やがて坂本家ご子孫の北海道入植によって受け継がれ、平成22年11月15日、戊辰戦争終焉の地であるここ函館において、全国の同志の篤い想いと力が結集し、蝦夷地の坂本龍馬像建立という形で具現化しました。
 坂本先生をはじめとする多くの先人の方々のお陰によって、現在の日本、そして北海道の繁栄があります。 しかし、昨今の我が国の現状は、国内外を問わず、政治、経済、外交など、あらゆる分野で混迷を極め、幕末同様、国難ともいえる局面を迎えています。
 本日、記念すべきご生誕180周年記念日にあたり、坂本先生が目指された日本のせんたくを継承し、この難局を乗り越え、誇りある国づくりと世界平和を目指して同志の輪を広げるべく、今後一層、努力、邁進していくことをここにお誓い申し上げます。
 平成27年11月15日  北海道坂本龍馬記念館館長 三輪貞治



◆HAKODATE幕末ウェディング(11月15日 10:30〜12:00/於 北海道坂本龍馬記念館)

 坂本龍馬生誕180周年記念特別プログラムとして、今年の龍馬祭では龍馬を敬愛するお二人の新たなる門出を祝う「HAKODATE幕末ウェディング」が厳粛かつ盛大に挙行されました。結婚式を挙げられたのは東京在住の清水ご夫妻。清水ご夫妻は当館開設に際し、共に活動、協力してくださった同志でもあります。
 龍馬さんの生誕180周年という記念すべき日に、その尊前において、ご親族や友人、そして多くの函館市民や観光客の方々から祝福され、大変温かみのあるすばらしい結婚式となりました。雨天により、函館龍馬公園で予定していた函館市立潮見中学校吹奏楽部による記念演奏は残念ながら中止となりましたが、函館学生連合・息吹の皆さんによるエネルギッシュなYOSAKOIソーランの記念演舞が華を添え、ツアーで当館を訪れた観光客の方々も、“大変おめでたい機会に立ち会うことができてとても嬉しい!” と話してくださいました。また、結婚式終了後は函館ベイエリアの赤レンガ倉庫群にあり、函館港や運河が一望できるベイサイドレストラン「みなとの森」にて、祝賀パーティーが盛大に開催されました。
 清水ご夫妻、龍馬さんとお龍さんのように、強い愛の絆で末永くお幸せに!!


◆「『百年後の日本人へ』現代の志士手紙コンクール」・「全国龍馬書道コンクール」表彰セレモニー
                 (11月15日 14:00〜15:00/於 北海道坂本龍馬記念館)

 坂本龍馬生誕180周年を記念し、「『百年後の日本人へ』現代の志士手紙コンクール」が新たに実施され、龍馬祭では「第2回全国龍馬書道コンクール」と併せて表彰セレモニーが執り行われました。
 手紙コンクールは、筆まめだった龍馬にちなみ、将来の日本人に伝えたいことや未来に向けての自らの決意などを記した手紙を広く募集し、全国から寄せられた48点の応募作品から16点が入賞作品に選ばれました。表彰後、出席した5名の受賞者の方々それぞれが、百年後の日本人へ向けた手紙を自らの朗読によって披露しました。
 書道コンクールは、日本の将来を担う多くの青少年に坂本龍馬や幕末維新史への造詣を深めてもらい、日本の伝統文化である書道に親しみ、書を通じて先人への想いや感謝の心を育みながら書写教育に寄与することを目的として昨年スタートし、今年で2回目を迎えました。 応募作品総数271点、そのうち21点が受賞、72点が入選し、当記念館及び金森赤レンガ倉庫ギャラリーにて特別展が開催されました。
 表彰終了後は、ご来賓の函館市議会議員・藤井辰吉様よりご祝辞を賜り、最後は水月流賢心朗吟会会長、宗家・湊賢心様より、坂本龍馬作による和歌の吟詠をご披露いただきました。

《第2回全国龍馬書道コンクール審査講評》
 「入選・入賞を果たされた皆さん、おめでとうございます。審査の任に当たりました者として、心に残った点をお伝え致します。 一つは、地元北海道から南は沖縄まで、広く全国から作品が寄せられている事。二つ目は、テーマに応えて書かれた語句が多様である事。このことは、いかに龍馬ファンが多いかを物語っています。龍馬を愛し、その心に触れようとする熱烈な思いの表れのように感じました。 また、何よりも、二回目にも関わらず作品レベルが高く、審査員の先生方を悩ませました。小学生はびっくりするほど立派で伸び伸びとして力強い作品で、中学生は堂々と自信を持った書きぶりで、または、しなやかなゆったりとした作品も目に付きました。高校生はさすがで、古典で身に付けた力を十分に発揮して、本格的な作品を出品してくれました。それぞれの年代の良さがあり、素晴らしい作品の数々でした。 どうぞこれからもしっかり学んで、来年もそれぞれの言葉で楽しく挑戦してください。楽しみにしています。  審査委員長・上山天遂

☆「『百年後の日本人へ』現代の志士手紙コンクール」の入賞作品と入賞者名はこちら。
http://www.ryoma1115.com/letter/01/index.html


☆「第2回全国龍馬書道コンクール」の入賞作品と入選者名はこちら。
http://www.ryoma1115.com/calligraphy/02/index.html



お蔭様をもちまして、坂本龍馬生誕180周年記念龍馬祭は全ての催事を盛会裡に挙行することができました。ご来賓、出演者、協力者の皆様、そして沖縄や九州をはじめ、全国から参集してくださった受賞者や同志の皆様、本当にありがとうございました!!