はこだてカルチャーナイト

 平成23年10月14日、「はこだてカルチャーナイト」が開催されました。このイベントは函館青年会議所青年部を中心とする「はこだてカルチャーナイト実行委員会」主催によるもので、函館市内の公共施設(函館市役所、函館市消防本部、函館地方裁判所など)、文化・教育施設(博物館、美術館、図書館など)、民間施設(五稜郭タワー、函館山ロープウェイなど)約30会場が参加し、夜間開放を通じて家族単位で地域の文化に触れてもらうことを目的に、年に一度開催されています。

 初参加となる当館では21:00まで開館時間を延長し、特別コーナーとして幕末動乱期の洋式銃と日本刀の実演や体験を行いました。



 洋式銃のコーナーでは、普段は展示ケースに納められているゲベール銃(オランダ製)やミニエール銃(フランス製)の実物4挺のほか、弾丸、玉型(弾丸を作るための道具)、銃剣(銃の先に装着して用いる剣)などを公開し、詳しい解説と使用法の実演が行われました。参加者の皆さんはその迫力に圧倒されつつも興味津々のようす。



 公開した銃は全てが幕末当時のもので保存状態も良く、龍馬が亀山社中を通じて薩長同盟締結のために薩摩藩名義で購入し、長州藩に送った貴重なものも含まれています。龍馬にとってこれらの銃は、戦闘のための武器としてではなく、犬猿の仲だった薩摩と長州の同盟を成立させ、大政奉還という平和革命を成し遂げるための手段のひとつでした。龍馬は常に人の命を大切に思い、争わずに日本を変えていくための方法を最優先に考えていたのです。(※ちなみに大政奉還樹立は慶応3年10月14日、144年前の今日です!)

 日本刀のコーナーでは、講師の山本先生による迫力ある居合の演武をはじめ、構造や部位、手入れ方法などについての説明が行われました。また、後半は木刀を使用しての構えや打突の体験コーナーもあり、参加してくれた少年たちは緊張しながらも剣士になりきっていました。





 6月の展示室リニューアルで十二口の日本刀が新たに展示されて以来、修学旅行で記念館を訪れる小中学生の男子は熱心に刀を見学しています。やはり、日本男児の遺伝子がそうさせるのでしょうか?

 龍馬や勝海舟は剣の達人でありながら、生涯一度も人を切らなかったといわれています。また、龍馬は刀が好きでとても大切にしていたようです。“刀は武士の魂”と言われますが、龍馬にとっての刀は人を切るための道具ではなく、強く、美しく、しなやかな人格と精神を体現する存在だったのかもしれませんね。礼に始まり礼に終わった日本刀の実演と体験コーナー、短時間ではありましたが、参加者の皆さんに武士道の精神に触れてもらうことができたのではないかと思います。

 当館では、人材育成の場としての「龍馬塾」充実を図り、カリキュラムの一環として実演や体験学修を今後も定例開催していきたいと考えておりますので、どうぞご期待ください!


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