函館市成人祭「箱館偉人選挙・幕末編」
新年あけましておめでとうございます。本年も北海道坂本龍馬記念館をよろしくお願い申し上げます。
さて、1月9日は「成人の日」。函館市では本年度2,360人が新成人となり、晴天に恵まれた当日はそのうちの1,530人が函館市民体育館に集い、成人祭が盛大に開催されました。会場は華やかな和服姿の女性をはじめとする新成人で熱気ムンムン。式典では、工藤寿樹市長による祝辞や新成人代表による誓いの言葉が発表されました。
式典に続いて行われた祝賀行事の目玉は「箱館偉人選挙・幕末編」。この企画は、函館が政権選挙発祥の地であることにちなみ、新成人に選挙や政治への関心を持ってもらい、投票率向上を目指して昨年から始められたものです。函館市選挙管理委員会協力のもと、投票箱や記載台などは本物が使用されます。
幕末、戊辰戦争最後の戦いとなった箱館戦争において五稜郭を占拠した旧幕府軍は、朝廷の蝦夷地開拓許可がおりるまでの措置として入札(選挙)を行い、士官の各役職を決定しました。これが日本初の政権選挙といわれており、この時の選挙では榎本武揚が総裁に選ばれています。
今年行われた「幕末編」候補者の顔ぶれは、①平成維新党・坂本龍馬(蝦夷地開拓計画を推進、その遺志を継ぎ子孫が箱館に渡る)、②日本開国党・マシューペリー(1854年の箱館開港の際に黒船で蝦夷地上陸)、③新選組公認・土方歳三(旧幕府軍の一員として戊辰戦争を戦い箱館で戦死)という設定で、坂本龍馬役で参加したのは、昨年の龍馬祭でスタッフとして活躍してくれた川崎修歩さん(北大生)、西郷隆盛役・三浦達也さん、桂小五郎役・阿部雄太さん(共に教育大生)の3名。メンバーは選挙活動と演説に参加し、若さあふれる熱演を披露してくれました。また、企画立案や準備、候補者への衣装提供などで当記念館も全面的に協力しました。
選挙演説は各候補3分以内で、支援者2名と共に自由にパフォーマンスを行うことができます。坂本龍馬候補は、西郷と桂の対立を和解させる寸劇を交えながら、新成人に向けて“日本のせんたくを共にやり遂げよう!”という熱いメッセージを送り、投票を訴えました。マシューペリー候補はコミカルな漫談風の演説で貿易の自由化などを訴え、土方歳三候補は見事な殺陣(たて)を交えて支持を訴えました。
大いに盛り上がりをみせた選挙戦は、コミカルな演説で支持を集めたマシューペリー候補が票を集め、残念ながら龍馬は当選を逃しましたが、日本の将来を担う函館の若人たちは、新成人となった実感と共に有権者としての責任を肌で感じ取っていたようです。
「船中八策」をもとに、江戸時代という封建社会から議会制民主主義国家・日本への変革を成し遂げた坂本龍馬。彼にとって北海道は、自由と平等の国をつくるための新天地でした。そして、現在の選挙制度も龍馬の活躍あってこそのものといえるでしょう。次の選挙では、そういった龍馬の未来志向を前面に打ち出し、ぜひ当選を目指したいと思います!
今年は龍(たつ)年、全国の新成人の皆さん、ぜひ龍馬のように大きなスケールを持ち、世界を目指して活躍してください!!