『百年後の日本人へ』現代の志士・手紙コンクール入賞作品

この手紙コンクールは、坂本龍馬生誕180周年を記念し、今を生きる私達から100年後の日本人宛ての手紙を広く全国から募集し、優秀作品には賞を送り、そのメッセージを後世に残していくことを目的に開催しました。 約150年前に書かれた坂本龍馬や幕末維新の志士たちの手紙は今もイキイキと私たちの心に響き、励ましてくれます。全国の皆さんから寄せられた応募作品に込められた志や決意、そして未来を生きる日本人へのメッセージも、今後多くの人々の心に響き、時代を越えて受け継がれていくことでしょう。 ここでは、応募作品全48点のうち、受賞作品16点の作品と共に、当記念館で開催された表彰セレモニーと金森赤レンガ倉庫ギャラリーで開催された特別展の様子をご紹介します。 なお、審査につきましては、各部門より大賞1作品を選出するという当初の審査規定を一部変更させていただき、全応募作品から入選した優秀作品を、それぞれ金賞・銀賞・銅賞として選出させていただきましたのでご了承ください。

金 賞(2作品)

石田 壮(岩手大学教育学部附属小学校6年生)



岡ア 菊栄(千葉県浦安市・主婦)



銀 賞(6作品)

大山 寿希也(青森県むつ市立川内小学校4年生)

「百年後の日本人」のみなさんおげんきですか。龍馬が大変な思いをして今の日本があります。平成27年の日本は平和な国です。よその国などではまだ戦いをしています。 龍馬の教えや日本を思う先人たちの手紙には、たくさんのよいことが書かれています。
みなさんも一度読んでみてください。特に龍馬は未来のことをしっかりと考えてくれて本当にえらいと思います。ぼくも龍馬みたいになりたいと思います。
今、4年生で野球部に入っています。野球は大きな声を出して、自分やチームのみんなに気合いを入れたり、あいさつやれいぎをきちんとしたり、走ったり、すぶりをしたり苦しい練習をのりこえて、チームの仲間を思いやり試合にのぞみます。 龍馬も仲間や家族を大切にして平和な国を作ることに努力した人です。
百年後の小学4年生のみなさんも未来がずっと平和で戦争のない世の中で生きていけるようにがんばってください。
ぼくが長生きしていたら会いたいですね。さようなら。



盛多 柊冴(北海道函館市立旭岡小学校5年生)

百年後はどうなっているのですか?  
ぼくはニートだけには、なりたくありません。みなさんは、平和にくらしていますか? また、戦争はしていませんよね? 不便なことはありませんか? この手紙を書いているぼくは、今10才の小5です。 自分は空飛ぶ車や、もちあるき可のうのTV、どこでもドア、通りぬけフープなどを作りたいです。百年後に、今書いた中で何かありますか? もしあるとしたら、「空飛ぶ車」がつかいたいです。学校ではタブレットをつかっていますか? 今、かめんライダーはどういうなまえですか?   
また、今、どういうストーリーですか? 今、いじめはおきていますか? もしいじめがおきたら、おやか、先生、兄弟などにそうだんしたほうがしないよりよっぽどいいですよ! もしぼくがそうり大臣になったら、学校にけいさつ1クラスに3人はけんします。刀などは、かんたんにつかわないほうがいいよ。さつじんなどおきたらどうする。百年後、がんばろうね。



塚本 慧(岩手大学教育学部附属小学校6年生)

ぼくはシェイクスピアのような脚本家になります。それは、なぜ戦争がおこるのかという根本をえがいて、国際社会に貢けんしたいと思うからです。そのために、行動に表せる人になります。  
ぼくが一番大事なことは、五箇条の御誓文にもあるように、古いよくないものを新しく変えることです。それは古いものをつないでいくよりも、初めてそのものを創った人よりも難しいと思います。  
ぼくは百年後の戦争はハイテクになり、人の被害ではなくコンピューターになると思います。でも、もし勝ったとしても人の質が落ちていくと思います。そのためには利害関係、裏切られるかもしれないという不安を乗り越えなければ、世界平和はできないと思います。  
今まで、世界で戦争が無くなった時期はわずか54年と聞いたことがあります。ぼくは戦争が戦争をよぶと思います。だから、坂本龍馬のように意志をつらぬく人になります。



中山 亮太郎(北海道教育大学函館校3年生)

今から百年前、それは第一次世界大戦の真っ只中。当時を生きていた人達は百年後、このような世界になっていると想像できただろうか。スマホ一つで世界の出来事が分かったり、手軽に旅行に行けるようになると誰が考えていただろうか。百年後の世の中がどうなっているかなんて分からない。
日本という国があるのか、そもそも人間がいるのか、それすら分からない未来に私が望むことは、もし人間がいるのであれば、和を受け継いでいてほしいということだ。 和と聞いて私は一番最初にお茶を思い浮かべる。お茶には和の全てが入っている。スーパーで売ってる緑茶を飲む時、スポーツドリンクのようにゴクゴクと一気に飲むような人は少ないと思う。ましてや抹茶をそのように飲む人はまずいないだろう。
それは日本人の奥ゆかしさや綺麗好きという面を崩さないようにしているのではないだろうか。ゴクゴクと一気に飲む様は良く言えば豪快、悪く言えば品に欠ける。
昔からお茶の席では、着物を着て抹茶、お菓子、会話などを楽しんでいた。ゆっくとした動きや着物の柄を目で楽しみ、耳で会話、口でお茶を楽しむ。これは端から見ていても和む。和をもって輪を作る。集団を好む日本人が、その集団を見た人の気分さえもよくしてしまおう、これが日本人の和ではないだろうか。
百年経っても、この日本人の和を忘れずに受け継ぎ、さらに未来へとつながっていってほしいと思う。



増田 まどか(静岡県焼津市・ 団体職員)

覚悟を決めた人の目を、人生の中で数度見た事があります。曇りなく澄んだ真っ直ぐな目。そのような状態を見られるのは刹那的なものですが、何物にも ―自分の自我や思考にすらも― 捕らわれない凛とした佇まいは、息を呑む美しさがあります。
こんにちは、あなたの生きている時間から遡ること百年。2015年を生きる者です。数年前から歴史を辿って、日本各地を旅することを趣味としています。この世に常は無い ― 史跡や歴史的遺物を訪ねておりますと、諸行無常の理を一層に感じるようになりました。
この手紙を読んでいる今、そこから見える風景はどのようなものでしょうか。空の色、四季の温度。きっと日々刻々と、変化に富んだ景色がそこにあるかと思います。 人の世も、考え方や当たり前とされるものも同様に、移り変わってゆくものです。私とあなたの考える『常識』も、突然に価値の全く違うものになるかもしれません。そのような概念の構築と破壊を繰り返しながら、歴史は創られています。
そのように変容していく中でも、時代を超えてキラキラと輝く存在があります。世相の流れを大きく変えた、何かに体当たりでぶつかって力を尽くした、様々な形で偉人として名前の遺る人達。所謂正史と呼ばれるものに名前は上がっていなくとも、懸命に生きた、もしくは生きている方々。
教科書の中に出ていても名前でしか御縁の無いお方も多いかもしれませんが、何故かとても気になる、そんな特別心惹かれるお人があなたにもいらっしゃるのではないでしょうか。
彼らの輝きは何故廃れないのか、そして何が彼らを輝かせているのかを、旅をする中でずっと考えています。過去の功績が照らすものもあると思います。けれどもそれだけではない、功績は行動の結果であって、その行動を生むきっかけとなったものがあったと思うのです。そのきっかけこそが私達の生きる時代まで伝わる輝きの原石だと……。 その原石の一つに私は『覚悟』があると思っています。
冒頭で記しましたが、覚悟を決めた人は自我に捕らわれていません(ここで言う自我とは、自分にとっての先の損得を考える心や思考を指します)。 私達は生きている中で、自分を見失ってしまうことが多々あります。共依存で作られている世界。人との繋がりの中で、自分の本当の感情や気持ちを知らず知らずのうちに隠してしまうことは多いです。過去の痛みからくる恐怖や劣等感等理由は人により様々ですが、時には隠していることすら気がつかない事もあります。 恐怖や劣等感から身を守るために建てたはずの壁はやがて自分を閉じ込める檻に変わり、壁越しを想像することしかできない思考は自分の目をどんどんと曇らせ、やがて心までも仄暗くしていきます。世の中が行き詰まったとき、皆がこのような状態だったとき、果たして私は自分を持っていられるかと問われると自信がありません。
このような世界の中で自分自身の心に問いかけ、今自分がやりたいこと・すべきことを、真正面から見定める。周りが何と言おうと揺るがない情熱を胸の中に見た時に、人は決定を自分に迫られます。その情熱を受け入れるか、見なかったことにするかを……。覚悟を決めるというのは、真に自分と向き合う事、そして踏み出して掴み取る事だと思います。情熱を灯す自分の心が戻ってきた時に、人は囲っていた壁を燃やし尽くして何も遮るものの無い真の今を生き始めるのです。だから私は偉人達の輝きの一つとして“覚悟”を考えます。  
あなたへのお手紙を書くにあたり、未来のあなたと一緒に共感できるものを探しました。そして変わり続ける世界を、旅をする中で感じた、過去からずっと変わらないと同時に、未来でもおそらく生き続けていくことについて、書くことにしました。  歴史の偉人達のような大きな変革を迫られなくとも、日々生きている中で何かを決定しなくてはならない場面は多々あります。 覚悟を決めるまでは様々な不安が出てきますが、そんな時は自分の五感や体感をフルに使って、自分の心を探ってみてください。その中で出た答えと向き合って覚悟を決めたあなたは、きっと美しいです。
長文になってしまいましたが、ここまでお付き合い下さってありがとうございました。
あなたの時代に私は生きているかわかりませんが、またご縁がありましたらよろしくお願いしますね。  
では、失礼いたします。 平成27年10月                                  増田 まどか  2115年を生きる皆様



古川 有太(北海道函館市・会社員)

今日本は暗い時代にあります。戦後、アメリカからの統治という名目の支配を受け、形の上では復興し、独立国家として成り立ってはいますが、実際にはアメリカの傀儡国家でしかありません。かつて日本人達は、世界中がアジア諸国を植民地化しようとしている中で唯一立ち向かい、支配されずにいた強い国家でした。
それが、敗戦と共に日本人の魂を失い、弱い国家、弱い国民になってしまいました。  
百年後の日本人へ、もう一度日本人の強い魂を取り戻し、世界の平和を守れる強い国家、強い国になっていてください。その為に現在の日本人が何をすべきかを考え、小さな活動から始めていこうと思います。




銅 賞(8作品)


藤島 航志(岩手大学教育学部附属小学校6年生)

ぼくは、さまざまな夢があって、一つ目は宇宙の石を研究したいのと、二つ目はUFO会社を作ってお客さんを早くすぐにつくようにしたいと言う夢があります。  
でも、夢はかなわないことの方が多いと思います。しかし、努力すれば、かなうのかもしれません。
なので、ぼくも龍馬のような自由なことをして人の役にたちたいです。




八重樫 悠子(岩手大学教育学部附属小学校6年生)

わたしは、動物にかかわる仕事をして動物たちの命をすこしでも守ってあげたいし、そしてだれかのためになるなら、その仕事でだれかのやくにたちたいです。  
そして、百年後は、動物や植物をたいせつにし、戦争のない平和な世界になってほしいし、でも、なんか戦争しないっていうのはないと思うけど、あらそいとか差別とかをなくし、自然を大切にして、さいきん二酸化炭素とかがきて、地球温暖化とかで白くまが住んでいる南極とかが大変になっているので、あんまり人間、自分たちのせいで動物とかを傷つけたくないので、そこはがんばってほしいと思っています。




佐々木 祐衣(岩手大学教育学部附属小学校6年生)

わたしは、しょうらい医者になろうと思います。ただの医者ではなく、かん者の事を自分より大切にし、かん者のために一生懸命になれるような医者になりたいと思いました。そのためには、まだまだ課題があるのでがんばりたいと思いました。  
百年後には、龍馬のように、自分より相手の事を思いやることができる武士道のような人たちがたくさんいて、おたがいに協力し合っていけるような日本であればいいと思いました。それには、まず今の日本人がそうでなければいけないと思うので、私からがんばりたいです。
私の目標がたくさんできたので、これからがんばっていきたいです。




瀧川 陸(北海道函館市立潮見中学校2年生)

ぼくの将来の夢は、イラストレーターになることです。理由は、ぼくは絵を描くことが大好きだからです。自分は根っからのアニメッ子で、キャラクターを自分なりに工夫して描いたりします。
最初は、ただ好きなだけだったけど、最近は自分の絵調もつかめてきて、絵を描くのがますます好きになってきました。うまく描けた時は、やっぱりうれしくて、だから自分の好きなことを仕事にしたいと思います。
すべてがうまくいって、思うように生きることは難しいと思うけど、自分の好きなことに正直に生きて、夢を持つことをあきらめないでほしいと、たくさんの人に知ってほしい。




浅井 悠河(北海道函館市立潮見中学校2年生)

自分の将来の夢は、漫画家になることです。理由は、自分は漫画がとても大好きで、特に週刊少年ジャンプを読んでいると話がとても面白いです。 自分の中で面白いと思う漫画は「ONE PIECE」という本です。
百年後、この漫画はやっていないと思うし、自分もいないと思うけど、自分の夢が叶うように、これから頑張っていって、有名な漫画家で自分の名前が残るように頑張っていきたいです。




菅原 成貴(北海道函館市立潮見中学校2年生)

ぼくの将来の夢は、警察官になることです。なぜなら、悪い事をしている人を見ていると、許せない気持ちになるからです。 あと、もう一つ百年後に伝えたい事は、今、日本はやっていませんが、このまま百年後も戦争をせずに、日本だけでなく世界のすべての国が平和でいてほしい事です。




中尾 淳子(東京都渋谷区・ 公務員)

人間は死すべきものである。だから、いかほど医療が進歩しようとも、22世紀まで命を永らえることが不可能であることを私は知っている。陽が昇り、陽が沈む。
3万6千回を超えるその繰り返しのあとに諸君はいる。諸君、心あらば年寄りの繰り言を聞いてもらえないか。ほんの僅かな時間でいい、耳を傾けてくれ。  
諸君、顔を上げたまえ。太陽を見え隠れさせながら雲が流れていくのが見えるだろう。  
諸君、耳を澄ましてごらん。冬の兆しを秘めた風のそよぎが聞こえるだろう。  
ほら、彼方に雪虫が舞うのがわかるかい。もうすぐ冬が訪れるしるしだ。
北の地の冬は長い。来る日も来る日も雪は降り積む。凍てついた空気が肺胞を鳴らしていく。だからこそ、春の陽のあたたかさを、頬をくすぐる柔らかな風を、大きな感動とともに迎えるのだ。  
忘れるな。百年の時が経とうと、変わらないものがあることを。  
諸君、たとえ今が辛くとも、決して易きに流れてはいけない。  
諸君、眼前にある苦労を楽しもうではないか。




田中 とみ子(福岡県北九州市・主婦)

日本は、ありますか。少子化、高齢化による人口減少で他国から多くの人々が移住して生活習慣は変わっていますか。 現在は2015年、百年前にモーターから始まり、ロボット開発をし続けている企業があります。人とロボットが共存する社会の実現を目指している様です。
産業ロボットで、インフラ整備、労働不足、危険な仕事、介護、家事、孤独な人とのコミュニケーション等の出来るものをと頑張っています。
一人の夢が達成した時、その人はどんな人なのかと思います。成績の良い人だけが夢を叶えるのではなく、夢を持ち続け、諦めないで自分がやってみたい事、好きな事を繰り返し遣って退ける力が夢に近づきます。  
人には、必ず役割があります。自分しか出来ない事、何をしたいのか、何が出来るのかを考え、自然体でいいのです。 いつの世も、命を大切にする日本人であることを願っています。



以上、16作品