坂本龍馬記念館活動報告2013年
平成25年「龍馬祭」盛大に挙行!
11月9日(土)、北海道坂本龍馬記念館及び函館龍馬公園を会場に、平成25年「龍馬祭」が盛大に挙行されました。龍馬祭は龍馬の誕生日と命日、そして北海道坂本龍馬記念館開館と蝦夷地の坂本龍馬像建立記念日である11月15日にあわせ、近代日本の基礎を築き、蝦夷地開拓を目指した坂本龍馬の志と行動力を受け継ぎ、誇りある国づくりを目指して同志が集まる一大イベントです。 今回も、全国から参集した龍馬ファンや同志が共に学び、交流し、熱く語り合いました!
◆函館史跡探訪「新島襄と澤辺琢磨」(10:00〜13:00/於 函館西部元町地区)
今年のテーマは、NHK大河ドラマに登場する新島襄と、彼のアメリカ密航を助けた龍馬の縁戚・澤辺琢磨ゆかりの史跡や歴史建造物の探訪。最高のお天気に恵まれ、0歳から80歳代の参加者16名が、函館観光ボランティア「愛」会長・小島洋一氏の案内で、函館ハリストス正教会、山上大神宮、新島襄海外渡航の地碑などの関連史跡を巡りながら函館の歴史を学びました。
※澤辺琢磨の略歴はこちら⇒http://www.ryoma1115.com/hokkaido/3.html#02
《見学スポット》
@蝦夷地の坂本龍馬像→A函館ハリストス正教会(重要文化財)→Bペリー像→C旧イギリス領事館→D旧渡島支庁庁舎→E旧函館区公会堂(重要文化財)→F旧ロシア領事館→G山上大神宮(昇殿参拝)→H箱館丸→I新島襄海外渡航の地碑→ J明治天皇上陸記念碑→K東浜桟橋・北海道第一歩の地碑→L新島襄ブロンズ像→M旧三菱倉庫、以上14ヶ所。
◆坂本龍馬蝦夷地上陸祈念祭(14:00〜14:40/於 函館龍馬公園)
龍馬の宿願であった蝦夷地上陸を祈念し、その高き志と功績を顕彰し受け継ぐこの式典には、約300人の方々が列席されました。函館西高等学校吹奏楽局の皆さんによる開会ファンファーレと演奏、海援隊旗掲揚、祭文奉読、そして「函館学生連合〜息吹〜」と「函館躍魂いさり火」の皆さんによる躍動感溢れるYOSAKOIソーランの演舞奉納のほか、函館市議会議員・藤井辰吉氏、陸上自衛隊第28普通科連隊長兼陸上自衛隊函館駐屯地司令・佐藤和之氏よりご祝辞をいただきました。最後に主催者を代表し、北海道坂本龍馬記念館顧問、郷士坂本家九代当主・坂本登より御礼の挨拶がありました。
《式次第》
一、開会の辞 司会 川越栄子
一、海援隊旗掲揚 演奏 北海道函館西高等学校吹奏楽局
一、祭文奉読 北海道坂本龍馬記念館館長 三輪貞治
一、奉納 YOSAKOIソーラン演舞 函館学生連合〜息吹〜
YOSAKOIソーラン演舞 函館躍魂いさり火
一、祝辞 函館市議会議員 藤井辰吉氏
陸上自衛隊第28普通科連隊長兼陸上自衛隊函館駐屯地司令 佐藤和之氏
一、主催者挨拶 北海道坂本龍馬記念館顧問・郷士坂本家九代当主 坂本登
一、閉会の辞 司会 川越栄子
祭 文
坂本龍馬先生のご生誕及び命日、そして蝦夷地の坂本龍馬像建立記念日に際し、先生のご遺徳を偲び、謹んで申し上げます。 幕末、坂本先生は、その高き志と行動力、そしてその人徳により、薩長同盟締結から大政奉還へと導き、長く続いた武家政治を終焉させ、近代日本の礎を築くという、世界でも類稀なる政治体制の変革を成し遂げられました。また、幕末動乱期にあって蝦夷地開拓と防衛の重要性にいち早く着眼され、その実現に向けて行動されました。 先生の蝦夷地上陸への篤き想いは、やがて坂本家ご子孫の北海道入植によって受け継がれ、平成二十二年十一月十五日、戊辰戦争終焉の地であるここ函館において、全国の同志の篤い想いと力が結集し、蝦夷地の坂本龍馬像建立という形で具現化されました。 坂本先生をはじめとする多くの先人の方々のお陰によって、現在の日本、そして北海道の繁栄があります。 しかし、昨今の我が国の現状は、国内外を問わず、政治、経済、外交など、あらゆる分野で混迷を極め、幕末同様、国難ともいえる局面を迎えています。 坂本先生が目指された「日本のせんたく」を継承し、この難局を乗り越え、誇りある、世界に恥じない国づくりと世界平和を目指して同志の輪を広げるべく、今後一層、努力、邁進していくことをここにお誓い申し上げます。
平成二十五年十一月九日 北海道坂本龍馬記念館館長 三輪貞治
◆公開フォーラム(15:00〜17:30/於 北海道坂本龍馬記念館内特設会場)
龍馬祭の公開フォーラムは、幕末の志士たちと共に、誇りある国づくりを目指して忌憚なく意見交換を行う場です。今回のテーマは「日本の危機について考える」。教員、経営者、会社員、団体職員、公務員、主婦、大学生など幅広い職業の方々16名が、郷士坂本家九代当主・坂本登氏と共に、世代や性別を超えて熱い討論を交わしました。
自己紹介に続き、「日本の危機」として感じている内容を、参加者の皆さんから問題提起として発表してもらいました。
○世界がグローバル化していく中で、日本人の無防備さや自尊心の欠如が様々な問題を誘発しているのではないか?かつて日本が悪いことをした国であるというような教育を受けたことに自分は疑問を感じてきた。(公務員・男性)、○戦争の前後で教師の言うことや態度が180度変わり、自分はどうしていいのか、何が正しいのかが全くわからなくなった。今後の教育をどのようにしていくかが最も重要な問題だと思う。(団体職員・男性)、○安倍首相が掲げる「戦後レジームからの脱却」について国民が再認識し、日本をどういう国にしていくべきなのかを考える必要があると思う。特に現憲法は、当時の国際法違反のもとで作られたものであり、今こそ見直すべき時ではないか。(団体職員・男性)、○龍馬が新政府の綱領としてまとめた「船中八策」には、不平等条約の改正、海軍の増強など、主に国益や国防に関する基本理念がまとめられているが、現在の日本は独立国としての毅然とした態度をとることができず、龍馬が目指した国家の姿とはかけ離れていると感じる。(団体職員・男性)、○教科書で学んだことや新聞・テレビなどで得られた情報に対し、インターネットや書籍などでは正反対の主張が存在したりと、何が正しくて信用できるのかがわからず戸惑っている。(大学生・女性)、○現在は、日本という国のかたちが見えてこない。こうあるべきであるという“芯”が欠如しているため、何を指針にしたら良いのかがわからない状態に見える。昨年、元台湾総統の李登輝さんとお会いした際、「日本人は誇りを失い元気がない。一体どうしたんだ。」、あるいは「台湾の日本統治時代は、日本人がインフラ整備などを一生懸命にやってくれた。日本人には大変感謝している。」といった話をされていた。そういったお話を伺って、日本人としての誇りを取り戻すべきだと強く感じた。(坂本登氏)
続いて、上記の問題点の改善や解決に向けての意見を発表してもらいました。
○現憲法は終戦後、占領下の日本において連合国軍側によってつくられたものであり、施行後一度も改正されていない。現在の日本にそぐわない条項を、まずは一つでも改正することが突破口となり、今後の改善につながっていくのではないか。(元教員・男性)、○北海道のブランド力(農産物や観光資源などの魅力)を国内外に発信し、まず自分自身が龍馬のように行動力を発揮して、ビジネスを通じて北海道から元気と豊かさを広げていきたい。(経営者・男性)、○歴史を単純に正誤や善悪で判断するのではなく、“虹を見るように”つまり、広い視野で全体を見渡しながら判断していくことが大切だと思う。また、世界の多くの国々は危機管理体制を整えており、日本も不測の事態に対応できる法体制や国防について真剣に考え、準備していく必要がある。(公務員・男性)、○戦後、連合国軍は日本が二度と戦争ができないよう、また、精神的に立ち直れないようにしようした。今、日本を建て直さないと、いつまでたっても日本の立ち位置が見えない。『教育勅語』など、かつての日本人を支えていた教育内容を歴史の一部として伝えることが必要だと思う。聖徳太子の「和をもって貴しとなす」という日本古来の精神も重要で、龍馬の精神にも通じると思う。(団体職員・男性)、○侵略戦争はいけないが、自国の防衛は必要。憲法についても、そぐわないものは改め、正しいものは残す。このように、国がもっと単純明快にわかりやすく指針を打ち出していくべき。(会社員・男性)、○仕事で多くの若者と接していて感じるのは、日本人の若者が精神的に苦しんでいるという現状。その一方で、海外のエリート大学からの留学生が異口同音に日本や日本人のすばらしさに驚いている。それは、争い事が少なく、人の和や協調を大切にしていること。「共生」という概念は日本独自のものなので、それを教育にしっかりと浸透させ、そして世界の人々と交わる際の指針にしていくことが重要だと思う。(団体職員・男性)、○日本には神道、武士道、商人道、剣道や柔道といった武道、書道や茶道など、「道」がつく様々な文化がある。この「道」の基本には、世の為人の為という「公」の精神があり、それは古来より日本人が培ってきた美徳だと思う。どのような分野においても、この「道」の精神を発揮し、継承していくことによって改善されていくと思う。(団体職員・男性)、など。
◆懇親交流会(18:00〜/於 北海道坂本龍馬記念館ホール)
地元の主婦の手作りによる函館の味を堪能しながら、幕末志士たちの如くざっくばらんに飲んで語り合う場です。銘酒「船中八策」や北海道の純米吟醸酒を酌み交わしつつ、20名が参加した宴は日付が変わるまで続きました。
平成25年「龍馬祭」はお蔭様をもちまして盛況裡に終えることができました。ご協力くださった皆様、そして全国からご参集くださった皆様、本当にありがとうございました。
今後も同志の輪を広げ、日本の魂と龍馬の元気を世界に発信してまいります!全国の志ある同志の皆様、ぜひ次回龍馬祭で熱く語り合いましょう!!